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クリスマス生誕(ひなビロコウ情報10) [ハシビロコウ他動物]

2010年01月10日

当blog来訪者の「秀ビル303号室」氏より一報を頂いたが、昨年のクリスマスに米国はフロリダ州TampaのLowry Park Zooにて、ハシビロコウのひなの孵りたり。発表自体がつい先日の話(ご当地時間1/07)である。

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☆ZooBornsよりかっぱらって来し写真。撮影はJosh Caraballo氏。

ぱっと見られて一番詳しいのが、ZooBorns である。ついでというては何だが、ざっくりと訳すと:

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2009年のクリスマス当日、タンパのローリー動物公園は、アフリカの希少種ハシビロコウのひなの孵化を見た。世界ではまだたった2園目である。ひなは12月25日午前7時半頃から嘴打ちを開始、殻から抜け出て全身を現わし、産声を上げているのが翌26日の夕刻には確認された。
このトリの飼育数は少なく、北米の全野生動物施設でもたった12羽の成体がいるのみである(内4羽がここタンパのローリー動物公園にいる)。野生の生息数は8千~1万羽と考えられており、絶滅危惧II類(訳注: vulnerable。IUCNの定める絶滅危惧種8カテゴリーの第5位「絶滅の危機増大」の意)と見なされているが、生息域は中央アフリカ西部の奥地にある湿地帯であるから、推計が難しい。

Kevin Bell(鳥類学者、米国動物園水族館協会(AZA)理事会議長)は「今回のハシビロコウ繁殖成功は、ローリー動物公園の素晴らしい功績です。ハシビロコウは野生でも余り見られないし、動物園でも滅多にお目にかかれない。今回の繁殖は、このユニークな種の保全に役立つ偉業ですね」と述べた。

ローリー動物公園の副園長兼CEO代理Craig Pughは、国連が2010年を「国際生物多様性年」に定めている事に触れ、「当地でハシビロコウが無事孵化したという事実は、動物園が単に楽しい訪問場所なだけでなく、地球上の生物多様性保全に役立つ保護保全機関としての役割も果たせるということを示しています」と述べている。

ハシビロコウは、アフリカの素晴らしい鳥類の一種として知られ、3.5~4フィートと長身、羽は暗い青灰色で、長さ12インチ・幅5インチほどにまで達する非常に大きな嘴を持つ(この嘴の形状が木靴に似ているのである)。長く大きく拡がる翼、力強い脚等がコウノトリらしく見える。一般名はハシビロコウ、鯨頭コウ、ヌマドリ等。

コウノトリの一種と考えられて来たハシビロコウだが、実は来歴は定かでなく、近隣種も知られていない。行動や生理学的特徴はサギ類に、一般的特徴はペリカンに類似点を持つのである。巣作りは、水の豊かな環境で、餌場となる浅瀬近くの地面で行なわれる。

ローリー動物公園では2組のペアを「イトゥリの森」エリアの2つの放飼場で飼っている。昨年園内の北湖を改変して、アフリカオオフラミンゴ、オオペリカン、ハシビロコウ、キバシコウ(訳注: 訳語適当。原語yellow-billed stork)、シロムネウ(訳注: 訳語適当。原語white-breasted cormorant)などなど、アフリカの様々なトリが自由に飛翔出来る放飼場にした。ちなみに、他にワオキツネザルが湖内の島にいる。ハシビロコウの両親は、昨年前半の早い時期にに巣作りを始め、10/03には卵を一つ産みつけた。これが北米初の卵である。残念ながら、新米両親はこの卵をうっかり壊してしまったが、11/11には2個目が産まれ、これが今回無事孵化を果たした。

今のところ両親は非常によく世話をしており、子育ての責任を共に果たしている。両親による給餌もしっかり行なわれており、これはもうひとつの大きな節目である。
担当飼育員は文字通り朝から晩まで観察を行ない、子育ての様子やひなの反応を記録している。基本データは限られているが、ひなが3ヶ月ぐらいは巣で育つだろうと予測されている。(訳注: 原文内にあるnextは文脈からnestの誤植と思われる)

タンパのローリー動物公園は2009年に、様々な特筆すべき誕生を祝ってきた。夏には園初のインドサイ誕生、秋には園初のオカピ誕生、そして冬には、北米初のハシビロコウ孵化という訳である。

「この素晴らしい成果は、飼育下繁殖が野生動物保護保全に実に重要な役割を果たす例として意義深いものであり、実現に向けての担当スタッフの懸命な取り組みと、それを支えるローリー動物公園管理協会理事会による公園経営によってこそ実現したのです。
ハシビロコウ孵化は、堂々たるユニークな姿を観賞するのみならず、この種に対する生物学的理解を深める又とない機会を与えてくれたのです。このような調査、繁殖、生息域に近い環境でハシビロコウが行なう子育ての努力等を支援する機会に恵まれるなんて、当園は幸運です」ローリー動物公園の動物収集担当ディレクターLarry Killmar博士は、そう述べた。
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最後の一文は米国によくある運営と資金の話なので略する。ともあれめでたき事である。特に両親による子育ては初となるゆえ、楽しみである。Y/tubeの映像を見ると、営巣地の客側に相当近き事が分かる(園内アトラクションの、子供向けラクダ乗りが横をのたのた通過しておる)が、上野の如く喚き叫ぶ客の鈴なりとなっておる訳ではなきゆえ、まあ空間的にも十分であるから良いのであろう。何にせよ、先が楽しみである。

ちなみにわがソースによれば、TampaはParadisioとコンタクトして繁殖の相談などしておったゆえ、結果として両親による自然孵化・自然育雛となってはいるが、恐らくTampaは人工育雛の準備も怠りなかったろうとのことである。また、これが完全な自然孵化なのか、偽卵交換の「直前まで孵卵器使用」なのかは発表されておらぬので、目下定かでない。

ということで、とり急ぎのニュースであった。
 
 

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