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【訃報】ホフマンナマケモノ [ハシビロコウ他動物]

2014年4月15日

コウ女の逝きし。

コウは上野動物園のホフマンナマケモノである。と、今更書くまでもなく、此処で散々住環境悪化を取り上げたる対象である。やうやう暖かくなりて、この無理解なる放飼場にても何とか陽光を浴び踏ん張りてほしきものよと思うておったが、最早その時の来ず。あれ程に訴えども何ひとつ変わらぬ走禽舎の惨状は、己が無力をこの上無く見せつける。
死亡は13日という。われとした事が、多忙に紛れて2日間も知らずにおった。コウには衷心より陳謝する。辛い晩年を送らせてしまいたる事、状況の遂に好転するを得なんだ事、誠申し訳なく思うておる。

何か月も閉じ込めず、使い易き設備にて、行きたき時に銀杏の木で過ごせる環境のあれば、結果は違った筈である。全ての生物はいずれ死ぬ。だが、相手が物言わぬを良い事に、独善的管理で命を縮めれば、それは立派な虐待である。コウは非常な高齢であったが、死因を高齢で片付けられてはかなわぬ。はっきり言う。走禽舎は最早「死の動物舎」となっておる。一体あと何頭殺されれば、この悪夢は終わるのであろうか。

コウ、本当にすまなかった。どうか天上にて、ヒデとのんびり過ごしてくれ。久しぶりに会うて、かつてそうであったように、思う存分いちゃいちゃしてくれ。


訃報.JPG
☆単なる動物園の一パーツに過ぎぬと言わんばかりの、実に素気なき訃報。「コウ」の名すら掲示されず。
 
 
とにかく、コウ女は、あの環境、あの担当者からは解放されたのだ。死を以てという最悪の結末であったが。
 
 
 



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