おい............（汗） ― とりかえばや異聞２

2010年３月21日

上野に行った。

日曜であって、通常ならば休養日となるところであるが、前日の強風ゆえ気になりて、連休中日ということもあり、出掛けることとした。丁度母の、新聞の都内面にて「桜と猫」なる写真展のありを知り、観賞を希望せしゆえ、まずは千駄木に出掛ける。千駄木に降り立つは人生初なり。地図を頼りに目指すギャラリーに辿り着くが、ここは二階建て民家をそのまま利用しておる建物であって、玄関先にて来客よろしく靴を脱ぎ、スリッパに履き替えての観賞となる。猫専門のギャラリーであるらしく、一階においては、猫の油絵を展示しておった。何やらアンリ・ルソー風の、リアル感無き平面に、服を着たる猫の無表情にてこちらを見ておるといった絵であった。目的の写真展は二階であり、十畳程度の板の間の壁に、桜と猫の写りし十数点の写真の展示されたる。全て屋外写真であって、なかなかに愛らしきものであった。
根津に行けば日曜のことゆえ食事のままならぬが予想され、千駄木にて蕎麦を食する。麺は良いがつゆのぱっとせぬ、だが値段は結構な蕎麦屋であった。そそくさと食事を終え、根津へと移動する。昨夜からは想像も出来ぬ程天気良く、巷ではまだ三分咲きと噂されたる桜だが、ビバリウム横の１本は満開を迎えておった。


☆如何にも春
　
　
われの最も心配せしフラミンゴ放飼場は、幸いに無事であった。のみならず、どの舎も、客として外側より見たる限りにおいては、幸い問題なさそうであって何よりである。母は仔サイのマルゴを拝むが久々にて、わくわくと歩を進める。母子共に、元気である。マルゴは随分と親から離れる行動も増えたるか、つと空プール側に下り来たる。


☆マルゴ歩む

マルゴはずんずんと歩を進め、遂には柵際に達すると、興味深げにわれを見たり。好奇心旺盛なる年頃なのであろうか。


☆マルゴ寄る

一方母アルゴの、相変わらず堂々たる母振りを見せたり。


☆一層腰の座りたる堂々母

乳はまだまだ漲っておる。サイもゾウ同様まだまだ母乳を呑むのであって、この乳は、仔のこれ程でかくなりてもまだ現役である。


☆咥え易そうなる乳

やがてマルゴの母が許に戻り、顔を寄せ合うは、何やら注意を受けておるように見える。


☆「ひとりで遠くに行かないのよ」と言い聞かせでもしておるようである。


西園本園を一回りの後、丁度フォッサの食事の時間となり、ゾーン・マダガスカルへと向かう。母はワオキツネザルが好きであるゆえ、ワオキツ島に寄れば、バオバブ温穴入口において、二名の寛ぎたり。


☆お寛ぎ....................お？

よく見れば、二名の間に小さき者一名あり。何？スーの群れ入りしたるか？それにしては仔の小さき。こはどう見ても赤ん坊なり。


☆赤子..............だな？

しかも二名はかいがいしく赤子をあやしたる。何だこの状況は。何処より赤子の現れ出でたるか。


☆寝ておるか

とにかく赤子には違い無し。思わぬ事態に母は大喜びである。


☆目を醒ましたるか

母の要請により、ともかくも写真に収めたり。


☆赤子なれども既にワオキツのコワイ顔

これは何か案内のあるハズと、われは周囲を見回す。と、


☆おい...............（汗）

フウ出産とな。..........待て、フウとライは上野生まれの双子の「兄弟」ではなかったのか？おい又か東園。困ったものである。現在マダガスカル本土にて双子と過ごしておるスーは、実は羽村のご婦人にて、いずれ羽村に帰るらしい。ゆえに自前にて女王を確保出来たるは、そりゃ出産と共にめでたき事この上なしではあるが、ははは、性別ぐらいは、正確に把握しておいた方が良いのではないか、ははははははは........................（脱力）

フォッサの食事は非常に楽しかりけり。楽しみたるゆえ、写真は撮らなんだ。zoo-netにて紹介のある通り、フォッサには鶏頭と、同様のサイズにカットされたるオートミールをまぶしたる馬肉の与えられたり。これを枝枝に置いてゆくと、フォッサは器用に枝を渡りて次々に食してゆく。これはみものである。

母の十二分に楽しみて、この日は早目に上野を後にせしわれらであった。