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訃報 (カバ) [ハシビロコウ他動物]

2011年4月18日

サツキが亡くなった。
 
 サツキは上野のカバである。高齢のためかねてより体調要管理であったが、3/11の地震の際足を傷め、それが命を縮める事となり、スタッフの尽力およばず、4/16夜遂に帰らぬ者となった。実に実に残念である。

サツキは大動物では数少なき「上野生まれの上野育ち」であった。年下の夫ジローとは、実に仲睦まじき夫婦であった。常に夫を立て、夫は妻に甘え、常に寄り添う二名であった。現在カバ放飼場は工事が入っておるゆえ、カバは室内展示になっておるのだが、その室内にて、ジローの、ひとりぼうっとプールに沈んでおる。たまに移動するのであるが、妙に広きプールにとまどっておるようにすら見えたり。ジローの来園時より、サツキは常に共にありし存在であり、客としても、二名セットで当然と思うて過ごして来たり。ヒデの時もそうであったが、実際にコウやジローがどう感じておるかは別として、やはり二名セットで長年見て来たる者が一名となるは、見る側の喪失感の際立つものである。

大動物のおらぬようになるは、実にぽっかりとスペースの空きて、侘しさもひとしおなり。長年上野にてわれらを楽しませ和ませ続けたるサツキには、感謝あるのみである。衷心よりサツキを悼む。天上なれば重力に縛られる事無く、足も痛まず体も軽快に動けようから、どうかのんびりと過ごされたい。

折しもズーポケットでは特別展「河馬博覧会──かば祭り in Ueno Zoo」を開催中である。在りし日の元気なるサツキの写真も拝めるゆえ、来園者には是非足を運ばれたい。
 
 


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