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こいもはどこに [ハシビロコウ他動物]

2011年2月14日

2/10、拙宅近隣の飼い猫の行方不明のチラシのあるを知る。
近隣というても、チラシの貼られたるが3ブロック程先の事であって、われは飼い主には縁もゆかりも面識も無し。しかし2/10の晩、行方不明を知りたり。

拙宅周辺には野良猫の多くして、顔見知りの多き。ゆえに拙宅では野良猫の其々に適当なる呼称(例:しっぽしま、ざらめ等)をつけ、家内にてその消息を語り合うこと暫し。中に「ちびニャン太」の居り。これは昨年生まれたる仔猫にて、親離れしてより滅多にその姿を見る事無し。それが2/10夕刻帰宅途上に、坂下のアパート辺りにて良く似たる者を発見、忽ち家に帰りて兄妻に「ちびニャン太居た!」と語れば、兄妻の言いて曰く「あれ首輪してたよ」。するとわが甥の言いて曰く、「ねえあれやっぱこいもちゃんじゃないの?」「何だそのこいもちゃんというのは」と尋ね、前の週より中華料理店前の電柱に「迷い猫」のチラシの貼られたるを知るに及ぶ。当該中華料理店は、われは利用せぬが二階一家の度々利用するにつき、その情報と相成ったのである。われはすぐさま確認の為再び道を下り、こいもちゃんらしき猫の発見場所に急行するが、既に姿無し。ともあれ情報を確認せんとて、遠回りし中華料理店前まで行き、チラシを見る。
迷い猫の情報は以下である。

名前: こいも (3歳、スコティッシュフォールドというが、写真の猫は耳の折れておらず)
模様: きじ白。チラシによれば、背模様はウリ坊の如し。
特徴: 水色地に黄色その他の細かい模様の首輪

こいちゃんと呼ぶと反応するかも知れぬ、とチラシにあるゆえ、建物の間に首を突っ込みては「こいちゃん、こいちゃん」とささやくを繰り返すが、寒きゆえ、まず以て猫の姿自体無し。失踪の場合、猫は犬に比し概して怖がりであり、三次元移動もし、二次元としてもまず人目につかぬ奥の片隅等に潜りこむゆえ、発見の非常に難しき。おまけに、犬なれば大声で名を呼び探せば、概して反応を示すが、猫の場合、大声にて呼ばわれば、徒に恐怖心を煽るのみである。ゆえに常に猫なで声にて、隙間という隙間に眼を光らせ首を突っ込み静かに呼ばわる必要のあり。こは傍から見れば奇行以外の何物でも無きゆえ、まずは羞恥心をかなぐり捨てるが肝要である。というか、猫の失踪に合いては、羞恥心等もとよりぶっ飛びてしまうのである(と断言するのも、われは拙宅に住まう猫ニャン太の、二度にわたる脱走を経験しておるゆえである)。こいもちゃんは、1/30に抜け出したるという。われがチラシの存在を知った時点で、既に10日が経過しておる訳である。おまけに、その夕刻より天候の乱れ始め、翌日は激寒の上降雪となる。これはまずい。実にまずい。という訳で、われは再び家にとって返し、猫のきもちのおまけ「猫ネット」(嫌がる猫を通院等でキャリーに入れる為のツール。洗濯ネットの応用)と紙皿、ウェットフードをポケットに詰め込み、更に眼鏡をかけ(近眼の上老眼なるわれである)、また家を出で、アパートへと向かう。既に当該猫の姿無し。これはブロックの反対側に行きしものと、迂回して反対側に回り込み、一帯を探すも姿無し。反対側の面したる道は、交通量は大した事の無きが、広きゆえ、室内飼いであれば、横断には相当の逡巡を見せるものと思われた。が、こちら側に居らぬのであれば、反対側も対象とせぬ訳にゆかず、われは道を横断し、道側をひと通り見る。というても、車多き道沿いは、室内飼い猫であれば、怖ろしくて留まれなかろうと推察され、われは更にブロック裏側へと迂回し、また隙間に首を突っ込みては「こいちゃん」とささやき続けたり。と、古きアパートの奥に、当該猫の居りたり。みゃ~、みゃ~と鳴きしゆえ、「こいちゃんかい?」と尋ぬれば、尚もみゃ~と鳴く。フードを手に「こいちゃん」みゃ~「こいちゃん」みゃ~を繰り返しつつわれはにじり寄ってゆくが、当該猫の、みゃ~、みゃ~と鳴きつつも距離を縮める事はせず、われの近づきたる分を奥に下がりてゆく。これでは埒の開かぬゆえ、一度下がりて、暫し様子を見ることとする。20分ほども膠着しておると、隣家の住民らしきおばさんの、自転車にて戻り、隣を盛んに覗き込むわれを訝し気に見るゆえ、逆に「こちらのお宅の方ですか」と声をかけると、「ええそうですけど、何か?」と尋ねられ、「あの、この後ろにいるあの猫の事ですが、◎◎4丁目にチラシの貼ってあった猫じゃないかと思って」と言うたるや、おばさんカラカラと笑う。「違いますよ、あれウチの猫です」

...........................そうですか.................._| ̄|○


この後、今朝に至るも時間のあればこいもちゃんを探しておるわれであるが、消息は未だ不明のようである。何しろ時間の経ち過ぎており、実際の失踪がどの辺りで起こりたるかも、失踪時の状況も、これまでにどういう探し方をしたかも分からぬとあっては、われにはかなり難しき。しかしながら、飼い主はともかく、その猫が置かれたる苛酷なる状況を思えば、探さぬ訳にゆかぬわれである。実は猫探しは、日中の方が格段に良い。夜はヒトの眼が効かぬし、勝手を知らぬ猫は、怖がりゆえ夜は動かぬ方が多いと言われておるゆえ、いずこかに潜りこんでおった場合、夜の発見は至難と思われるゆえである。ゆえに夜しか回れぬわれの、発見の確率はかなり低かろうことは認めねばなるまい。しかし、猫の命に係わる事である。探すしかあるまい。
こいもちゃんはどこにいるのだ。
誰か優しきヒトに保護されておれば良いが。
そうでなければ、早く見つかるところに出て来てほしい。
ともかく、どうか元気でいてくれ。
 
 

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